(2018/09/16 お知らせ) これは旧バージョンの記事です。新バージョンのレシピは、「(新)少量の麹で作る甘酒~基本編:じっくり保温で甘味も旨味もアップする!おいしい甘酒の作り方」です。当記事のレシピを再考し、よりおいしい甘酒が作れるレシピにしました。是非お試しください。
なお、当記事も参考のため公開は続けますが、レシピ内容は新バージョンを参照してください。(お知らせおわり)
暑い日も寒い日も甘酒はおいしい!私の甘酒愛は年中無休です。
今日はそんな私が、おいしい麹甘酒の作り方について書きたいと思います。
今回ご紹介するレシピは通常のレシピと比べて少量の麹でおいしい甘酒が作れるので、とても経済的ですよ!
難しいことは何もありません。必要なのは時間だけです。
(2018/09/17 お知らせ)新バージョンの記事の公開後なので今更ですが、当記事を参照する場合もあるかと思い、内容を見直して修正しました。変更前の内容には訂正線を引き、横に変更後の内容を記述しました。画像は変更していません。(お知らせおわり)
目次
1.自家製甘酒の製造に必要なもの
必要な道具は以下の通りです。
- 保温器~50℃台を10時間以上保てるもの
(ヨーグルティアがおすすめ!) - 温度計~液体が測れるもの
(0~100℃程度が測れればOK) - キッチン秤(スケール)
(無くても何とかなるが、あると便利)
次に、私が普段使っている甘酒作りの道具と材料をご紹介します。
1-1.甘酒作りの道具
1-1-1.保温器 50℃台を10時間以上保てるもの
甘酒を作るときには保温器が必要です。
麹を50~60度程度の温度で保温すると、麹菌が作り出したアミラーゼという酵素がよく働きます。
麹を使った甘酒作りでは、この酵素を働かせることでお米などに含まれるでんぷん質を糖化し、甘みを出しています。
このとき短時間では甘くならないので、ある程度の時間、保温温度を保つ必要があり、保温器が必要となります。
私が使っていて、おすすめする保温器は、ヨーグルティアです。
(※ 2017/9/13 去年末に新モデルが出たので写真の差替え&内容の修正をしました)
TANICA 温度調節(25~70℃) ・タイマー・ブザー付ヨーグルトメーカー ヨーグルティアS 1200ml YS-01 (ホワイト)
色もホワイト、グリーン(新色)、ピンク、ブルーと4種類!
(上記リンクをクリックすると全色を確認できます。リンク先は、製造元タニカ電器の公式オンラインストア@Amazonです。)
ヨーグルティアは名前から想像できるように、いわゆるヨーグルトメーカーなのですが、ただのヨーグルト製造器ではありません。
このタニカのヨーグルトメーカーは、25~70℃(旧モデルは65度)まで1度単位で温度設定できる上に、48時間までのタイマー付き!という超秀逸な代物なのです。
ちなみにこちらが私の使っている旧モデル。とても重宝しています。新モデルのヨーグルティアは旧モデルからいろいろな点が改良されて、さらに使いやすくなっているようです。
甘酒作りの場合、48時間のタイマーは必要ないと思いますが、長時間保温が必要なヨーグルトや、各種パン種の発酵にも使えるのでとても便利です。
私は主に甘酒作りに使用していますが、1℃単位の温度調節が可能なので、ヨーグルトも狙ったものが簡単にできると思います。
パンを作っている方の場合は、パン種の温度管理がとても楽になるのでおすすめです。
私も夏以外はこれで時々パン種を作りますが、温度管理の点では失敗がなく使いやすいです。
ただし・・・これは保温器であって冷却機能はないので、夏場などで室温が高い場合は、室温以下に温度設定しても意味がありません。
ヨーグルティア自体を涼しい場所に置いて使う必要があります。
さて、発酵食品作りでは、菌類を取り扱うので、食品を入れる容器に付着している(であろう)余計な菌類が気になるかと思います。
その点もヨーグルティアは抜かりなく、食品を入れるプラスチック容器が電子レンジ対応になっていて、電子レンジで手軽に殺菌できます。
鍋にお湯を沸かして煮沸消毒となると構えてしまいますが、電子レンジで毎回ささっと殺菌するだけなのでとても便利です。
ヨーグルティアを持ってない場合は、保温機能のある炊飯器や魔法瓶などを使って甘酒を作る方法があるようです。
私は炊飯器や魔法瓶での甘酒作りを実際に試したことがないので詳しいことが書けないのですが、炊飯器の保温機能を使うときは、炊飯器の蓋を少し開けた状態にしておかないと、高温になりすぎてうまくいかないと思うので、気を付けてください。
最近の炊飯器は保温温度を60-70℃以上まで設定できるものがあるようですが、甘酒を作るには温度が高すぎます。
魔法瓶は基本的に入れておくのようだけですが、温度が徐々に下がるので、最初に全体の温度を高めにしておいたほうがよいと思います。
もし私より先に炊飯器や魔法瓶で作ってみた方は、ぜひ結果を教えてください!
1-1-2.温度計~液体が測れるもの
温度計は、材料の温度を確認するのに使います。
ぜひ用意していただきたいものです。
詳細は作り方のところで説明しますが、保温器(ヨーグルティアや炊飯器、魔法瓶など)で保温する前に、全体があまりにも高い温度になっていると、甘酒がうまくできません。
失敗を避けるためにも、温度を確認できるものがあると安心です。
温度計は、液体等につけて温度が測れるものなら何でもよいので、高級品である必要はありません。
(※)下記の画像やテキストをクリックするとアマゾンに飛ぶのでご注意ください。
ドリテック クッキング温度計 プリン オレンジ O-248OR
(※)上記をクリックするとアマゾンに飛ぶのでご注意ください。
ドリテック クッキング温度計 グリエ ピンク O-264 PK
(※)上記をクリックするとアマゾンに飛ぶのでご注意ください。
↓下は、設定温度になるとアラームで知らせてくれるという便利な温度計。これでも1200円くらいなので驚き!(2017/9/12現在)
ドリテック お知らせアラーム付クッキング温度計 ホワイト O-263WT
(※)上記をクリックするとアマゾンに飛ぶのでご注意ください。
ちなみに上の2つ(「プリン」と「グリエ」)は私が使っているものですが、価格(1000円以下)も機能も似たようなものがたくさんあるので、気に入ったものを探してみてくださいね!(グリエのほうが温度表示が定まるまで時間がかかるようです。)
1-1-3.キッチン秤(スケール)
キッチン秤は1g単位で量れれば十分です。
もしあれば、風袋引き機能(*)がついたデジタルのものが便利です。
1つの容器に麹と水を直接入れて量れるので、洗い物が少なくて済みます。
タニタ デジタルクッキングスケール 2kg(0.1g単位/200gまで) レッド KD-212-RD
(※)上記をクリックするとアマゾンに飛ぶのでご注意ください。
上は私が使っているものですが、特におすすめしているわけではなく、ご参考までに載せました。
価格が安い(2000円弱)のに風袋引き機能があり、コンパクトで気軽に取り出して使える点は気に入っています。
しかし電池が少なくなると突然動作が不安定になるのが難点で、私は頻繁にキッチン秤を使うこともあり、もう少しよいものがないか探しているところです。
もしおすすめのものがあったら、是非教えてください!
上は私が使っているものの新しいモデルです。
特におすすめしているわけではありませんが、参考までに載せました。
価格が安いのに風袋引き機能があり、なんとか0.1g単位で量ることができて(甘酒以外の用途ですが)、コンパクトで気軽に取り出して使える点は気に入っています。
しかし電池が少なくなると突然動作が不安定になるのが難点で、私は頻繁にキッチン秤を使うこともあり、もう少しよいものがないか探しているところです。
もしおすすめのものがあったら、是非教えてください!
[風袋引き機能とは]
量りたいものを入れる容器の重さをあらかじめ引いて(表示をゼロにしてから)、中身を入れて重さが量れる機能。
例えば、調理ボールをはかりに載せてから風袋引きボタンを押すと、重さ表示がゼロになるので、ここに続けて中身を入れ、その重さだけを量ることができる。
風袋引き機能がない場合は、容器+中身の重さしか計量できない。
何種類かのものを次々に追加しながら量るときにも、その都度表示をゼロにして次のものを量れるので便利。
キッチン秤がない場合は、計量スプーンや計量カップでだいたいのところを量りましょう。
少量の麹を量る場合は、計量スプーンで間に合うと思います。
米麹(乾燥)15g=大匙1+ごく軽く盛った程度になります。
私の場合、大匙で軽く盛って量ると15~17g程度になることが多いです。少量の米麹を量るのには許容範囲でしょうか。ま、すり切りすぎて米麹の量が少なくなると問題ですが、多すぎる分には問題ありませんしね(財布には問題ですが)。
というわけで、大匙で量る場合は、ごく軽めに盛った大匙1杯=15gと考えてやってみてください。
次に、もう少し大きな容器で量る場合です。お米を量る1合カップ(180ml)に入れてみたところ、米麹100g=約120mlでした。米麹は粒々した物体なので、量る容器が異なるとかなり結果が変わってくると思います。ただ、お米を量るカップはどれも似たようなものなので、お手持ちのお米の計量カップを使えば結果もそこそこ似通ってくるのではないでしょうか。
1-2.甘酒の材料
以下が自家製甘酒の材料です。
(2018/09/16 お知らせ)当記事の内容は旧レシピのものです。現在はレシピを変更して新しい記事にしてあります。実際に甘酒を作るときは、新しい記事「(新)少量の麹で作る甘酒~基本編:じっくり保温で甘味も旨味もアップする!おいしい甘酒の作り方」を参考にしてください。(2018/09/16 お知らせおわり)

- 鶴味噌醸造の米こうじ(乾燥):100g(*)
- 炊いたご飯(白米):2合(700g程度)
- 水(お湯)(*):3カップ(600g)
※3カップ用意するが、まずは2カップで様子をみて、残りでひたひたくらいに調整する
(2018/09/16 注記)
(*)もし(どーしても)当記事のレシピ手順を試してみたいという場合は、米麹の量を110g~120gにしてください(120gのほうがおすすめ)。米麹100gだと物足りない甘味になる可能性が高いです。白米の一部をもち米に変えても甘味が増します。詳細は1-2-2.甘酒の材料その2:炊いたご飯をご覧ください。
(※お試しでの作成では、レシピ分量の半分以下(ご飯1合以下)で作るのをおすすめします。)(2018/09/16 注記終わり)
炊いたご飯2合に対して、使用する米麹はなんと100gだけ!(*)
レシピ分量なら、米麹一袋500gで5回分!作れます。
この割合でもちゃんと甘くておいしい甘酒ができるので安心してくださいね。
上記レシピの分量で、ヨーグルティアの容器(1200ml+α)ちょうど(というか本当にギリギリ)1杯分になります。
私はせこいので、ヨーグルティア容器で一回に作れる限界の量で仕込みますが、ご飯と米麹を少し減らして水を多めにすると、材料を混ぜやすいですし、失敗も少ないと思います。
ちなみにヨーグルティアで保温する場合、材料が少なければ別の耐熱性の容器(ガラス瓶など)に入れてラップをし、ヨーグルティアに入れてもよいです(洗いものも減るのでおすすめ)。
1-2-1.甘酒の材料その1: 米麹について
私のお気に入りの米麹は、「鶴味噌醸造の米こうじ」です。
九州は福岡県柳川市で味噌を作っている会社の米麹です。
製造元「鶴味噌醸造」のホームページ:
http://www.tsurumiso.jp/
こちらの米麹は、きっちり甘みが出せて、かつ雑味や癖がないのでおすすめです。
基本編の白米と米麹だけで作りますが、応用編では様々な素材を入れます。
そうした場合も米麹に癖がないほうが素材の味を出せるので使いやすいです。
乾燥麹なので保存期間が長く、さらに開封前なら常温保存可能なので、とても便利です。
気になる価格も1袋500gで540円と、お手頃というか安すぎるくらいです。
米麹にもよると思うので、当レシピで作ってみてイマイチと思ったら甘酒を作る時の温度を上下させて試してみてくださいね(*1)。
(甘酒の作り方はこの後でご説明します)
同じように作ってもあまり甘みが出なかったり、風味も全然違ったりします。
甘酒を作るのに最適な(というか、好みの味になる)温度帯や時間は、使う麹が違えば異なります。
そして同じ麹でも材料(米麹、米、水分)の割合や温度、時間によって味は全然違うのです。
自分好みの甘酒が作れるレシピを追求していろいろ試してみると面白いかもしれません。
ちなみに、上記の米こうじのパッケージの裏に書いてあるレシピでは、材料が米こうじ500gに対してご飯200g+水1リットル以上となっています。

米麹をまるまる一袋使うなんて・・・贅沢すぎる!
たとい鶴が許すとも
ま、パッケージ記載の方法だと国菊の甘酒(*2)のようなゴクゴク飲めるタイプのものができておいしそうですが。
私には贅沢がすぎるので正月でもない限り絶対やりません。(いや、正月でもやらないな・・・)
(2018/08/13)去年、パッケージ記載の1/2量の麹でやってみたところ、極甘な甘酒ができました。ストレートではなく水などで割って飲むためのもののようです。
以下の記事で国菊甘酒と河内の生甘酒をご紹介しています。是非ご一読ください。
参考記事:夏においしい市販甘酒~すっきり甘い&さわやかな生(低温殺菌)!
さて、私のレシピは米麹を超節約するので、余りが出るかと思います。
余ったものは必ず冷蔵庫 or 冷凍庫に入れて保存しましょう。
乾燥麹は冷蔵庫でもかなり長持ちしますが、生麹を長期保存する場合は必ず冷凍庫に入れてください。

保存期間は麹の状態や保存環境にも依存するので、正確にどのくらいとは言えないと思います。
もし冷蔵庫や冷凍庫の奥からずーっと前に入れた米麹が出てきて、見た目に問題なさそうだったら、大匙1くらいを40~60℃くらいのお湯に入れて甘くなるかどうか確認してみるとよいと思います。
以下に米こうじが購入できるページへのリンクを記載しておきます。(2017/9/15に製造元サイトリニューアルのため、こちらのリンク先も変更しました。)
製造元「鶴味噌醸造」米こうじの販売ページ:
「鶴味噌醸造」米こうじの販売ページ:
アマゾンなどでも売っていますが、製造元から買うのと比べて2倍くらいします。
もし購入する場合は、製造元のオンラインショップが一番安いと思います。
(別途、送料や銀行振込or代引手数料がかかります。)
1-2-2甘酒の材料その2:炊いたご飯

材料の「炊いたご飯」ですが、まずは白米だけで作ってみるのがよいと思います。
使うお米の種類によって、できあがる甘酒の甘さがかなり変わります。
白米だけで作ってみれば、いま食べているお米でどのくらいの甘さが出るかよく分かると思います。
あまり甘くならない場合もあるので、最初は少量でやってみるとよいでしょう。
とはいえ、甘酒なんだから最初から甘いのがよいという場合は、白米の何割かをもち米に置き換えて作る(米麹の量は変えない)と、白米だけの場合よりはっきりした甘さが出るので、初めて甘酒というものを作る時には分かりやすいでしょう。
実は私も食べるお米が変わってから甘さが出なくなったので、甘酒を作る際、材料の「炊いたご飯1合(350g)」を「白米300g+もち米50g」として作っています。
「炊いたご飯」中のもち米の占める割合は約14%と少ない気がしますが、私のお米の場合これで十分甘くなります。
これ以下だと物足りず、もっと入れると甘すぎるといった感じです。
お米の種類や各自の好みにもよると思うので、もち米の割合については、いろいろと試して気に入った甘さになるものを見つけてくださいね。
ちなみに、もち米を入れて甘すぎたという場合、次からもち米の割合を減らすのが一番簡単ですが、もち米の割合は変えずに米麹のほうを適当に減らしてもいいです。
(2018/08/13 追記)白米だけより雑穀入りのご飯のほうが甘みが出やすいです。多分、麦系の雑穀のおかげだと思うのですが。オートミール甘酒も基本の甘酒より甘くなりますしね。小豆入りも甘みが出ます。機会があれば試してみてください。(2018/08/13 追記おわり)
(※)もち米を入れてみて甘すぎると感じたら、水や豆乳などで割って飲んだり、ヨーグルトと混ぜて食べてもおいしいです。
小豆や栗などのおこわが余っていたら、それを使ってみてもよいです。わざわざもち米を炊かなくても甘くておいしいのができます。
私はいつも茶碗一杯分くらい(約200g)の残りおこわを白ご飯(約500g)と混ぜて、米麹は通常の3/4(75g)くらいで作っていますが、それくらいでも2日目には十分甘く(ストレートだと私にはちょっと甘すぎるくらい)になります。
注意点としては、おこわだけで作ると塩気が強くなってしまうので、白ご飯+おこわで作るのがおすすめです。
「炊いたご飯」としては、もち米以外にも、白米+雑穀とか白米+黒米とかいろいろなパターンで作れますが、白いお米だけの時が一番くせのない甘酒になります。
白米だけのものと、雑穀を混ぜて作ったものと比べてみると面白いかもしれません。
私が作ったいろいろな雑穀入りの甘酒については、いつか別の記事でご紹介する予定です。
ちなみに、炊く前の白米1合は150gちょっとなので、2合だと300gくらいになります。
炊き方は普通に炊く時と同じでOKです。
私は、いつも鍋で炊いていますが、白米1合に対してカップ1の水です。(最近炊飯器になりました。楽ですね~。)
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2.自家製甘酒の作り方
道具と材料を用意したら、甘酒作りに取り掛かりましょう。
2-0.甘酒の作り方~作業手順の概要
以下が手順の概要です。
(2018/09/16 お知らせ) 当記事の内容は旧レシピのものです。現在はレシピを変更して新しい記事にしてあります。実際に甘酒を作るときは、新しい記事「(新)少量の麹で作る甘酒~基本編:じっくり保温で甘味も旨味もアップする!おいしい甘酒の作り方」を参考にしてください。(お知らせおわり)
- 炊いたご飯とお湯を混ぜて温度調整する
(目安:60℃) - 米麹を追加して混ぜる
- 必要に応じて水を追加する
(目安:表面が水に隠れるように) - (旧ヨーグルティアの場合)材料を入れた容器の蓋をきっちり閉める
- ヨーグルティアなどで保温する
(目安:57℃10時間 - 保温器から取り出して冷蔵庫で寝かせる
(目安:半日以上)
(2018/09/16 注記) 上のレシピでは冷蔵庫で寝かせる時間が半日以上としていましたが、現状では保温後3~4日程度寝かせるとよい具合になります。もしくは、57℃10時間+50℃4時間以上(50℃に切替え直後とそれ以降2時間おきに全体を混ぜる)のように変更して作れば甘さが増します(冷蔵庫での寝かせ時間は半日くらい)。材料のところでも述べましたが、麹の量は110~120g(ご飯2合に対する量)にしてください。半量で作る場合は55~60gです。(注記終わり)
次から各手順の詳細をご説明します。
2-1.炊いたご飯とお湯を混ぜて温度調整する
炊いたご飯に水2カップ(*)を混ぜ、60℃くらいにします。
なぜ最初にこの作業をやるかというと、米麹を投入する前に、投入先を適切な温度にしておく必要があるからです。
2-1-1.米麹投入時は、特に高温に注意が必要!
温度は60℃から少しくらい上下しても問題ありませんが、高温すぎると危険です。
甘酒はアミラーゼという酵素(*)がお米のでんぷん質を糖化させる(つまり甘くなる)ことを利用して作るのですが、この酵素というものは熱に弱いのです。
つまり、アミラーゼが働かなければ、いくら待っても甘酒になりません。
アミラーゼを働かなくさせる要因の一つが高温です。
酵素はたんぱく質でできているので、熱に弱く、高熱を加えると変質(変性)してしまいます。
変質すると酵素の活性が失われ、糖化などの働きができなくなります。
アミラーゼの場合は、60℃を超えてくると活性がどんどん失われていきます。
そして80℃以上になるとほぼ不活性になります。
一旦高熱を加えてたんぱく質の構造が変わってしまうと元には戻らない(したがって活性を取り戻すこともない)ので要注意です。
卵の白身に熱を加えると白く固まりますが、これを冷やしても元には戻りませんよね。
そのため、米麹を投入する温度には十分注意してください。
投入前の温度が60度を少し上回ってしまうくらいは問題ありません。
むしろ冬場などは、米麹を混ぜているうちに全体の温度がいくらか下がることを考えて、投入前の温度が60度を下回らないようにしておくほうがよいです。
しかし、70℃以下は厳守しましょう。
今回ご紹介するレシピは、米麹の割合がとても低いので、米麹を追加しても全体の温度はあまり下がりません。
それもあるので、米麹を追加する前に、材料の温度を調節しておくことが重要です。
(2018/09/17 追加)
炊いたご飯と水の温度調整する場合の例をご紹介します。
炊飯器保温のご飯:68~69℃程度、水:50℃程度で、全体が50℃台後半になります。炊飯器の保温温度は私の炊飯器の場合なので、若干違いがあると思います。
水を温めるときは、小鍋に入れて火にかけ、温度計で測りながら温めるとよいです。50℃程度なら1分くらいで温まるので、温度計で水をかき混ぜながら50℃になるのを待ちます。
(2018/09/17 追加おわり)
2-1-2.米麹投入時の温度が低い場合
温度が足りないと、時間内に糖化がうまく進まず、麹に芯が残ってしまいます。材料の温度が低すぎる状態で保温器に入れると、温まるまでに時間がかかってしまいます。できるだけ米麹投入前にご飯とお湯で温度を調整しておきましょう。
とはいえ、麹を入れてしまった後にうっかり温度が下がってしまうこともあります。こういう場合は保温時間を延長することで調整してください。また、場合によっては冷蔵庫で寝かせる時間も長めに取って調整します。
もし、保温を開始する時点で、全体の温度が50℃を下回っていたら、基本の保温時間が経過したあたりで一度様子を見て(味見して)、麹に芯が残っているようなら保温時間を追加しましょう。麹に芯が残っていないようなら冷蔵庫で寝かせてもよいですが、いつもの甘さが出るまで余計に寝かせる必要があるかもしれません。

2-2.米麹を追加して混ぜる
先ほど水を混ぜて温度調整したご飯に、米麹を投入して混ぜます。


全体に満遍なく米麹が行き渡るように混ぜましょう。

2-3.必要に応じて水を追加する
米麹を混ぜ終わったら、保温用の容器に移します。
保温用の容器は熱湯や電子レンジで殺菌しておきましょう。
少な目の量で作るときは、温度計をぐるぐる回して麹を混ぜ込めるので楽ですよ(笑)
ちなみに私は、ヨーグルティアを使ってご飯1合分で作るとき、いつもこうしています(2合の時もやってますが、麹が混ざりにくくてやりにくいです)。
材料が多めの時は、温度計で混ぜると折れそうになるかもしれないので気をつけましょう。
ヨーグルティアの場合は、レシピの容量でちょうどぴったり(というかギリギリ)になります。
全体の様子を見てみましょう。
下図のように水分が足りない場合は、お湯(60℃くらいがベスト)を足します。熱湯は不可ですよ~。熱湯を入れるくらいなら温度が低くてもいいので水を入れてください。
水分が少なすぎると特に材料の表面部分が水に漬からず、その部分の米麹の芯が残ったままになることがあります。
ご飯や米麹の状態にもよりますが、保温を開始する時点で、材料の表面を平らにしてなるべく水から出ないようにしておきましょう。
乾燥麹の場合は水分を吸うので、少し立つと表面の水気がなくなってきます。最初からじゃぶじゃぶにする必要は全くありませんが、ヨーグルティアの場合は内蓋の下ぎりぎりまで水を入れておいてもいいでしょう。

下図は、保温器に入れる直前の材料の温度です。
撮影にかまけているうちにどんどん温度が下がって42.5℃になっていました。
これは下がりすぎですね~。
仕方ないのでこのまま保温に入りますが、こういう時は保温時間を1~2時間ほど長くするとよいでしょう。
ちなみに、この後ヨーグルティアにセットして1時間後、容器の中心部はまだ48℃くらいでした。
さて、次の作業は、ヨーグルティアを使う人にとって超重要なものです。
気合を入れていきましょう。
炊飯器や魔法瓶を使う人は、5章に飛んでOKです。
2-4.(旧ヨーグルティアの場合)材料を入れた容器の蓋を閉める
(2017/9/13)以下は、旧ヨーグルティア(新モデルのヨーグルティアS以外)の場合の注意点です。
新モデルでは蓋の構造が変わって、分かりやすくかっちり閉まるようになったらしいので、ここは飛ばしましょう(笑)
先ほどヨーグルティアのプラスチック容器に材料を入れたので、ここでの作業は、「蓋を閉める」です。
・・・なぜ蓋を閉めるだけのことが1つの手順になっているのか。
それは蓋をきっちり閉める(締める!)ということが、今後のヨーグルティア人生を左右しかねないほど重要な作業だからに他なりません(かめのて比)。
まずはヨーグルティアのプラスチック容器の構造の確認です。
プラスチック容器には内蓋と外蓋があります。
容器に材料を入れたら、内蓋を被せます。

次が超重要な作業です。
外蓋は、きっちりしっかり取り付けましょう!


外蓋を取り付けたら、持ち上げる前に容器を360度回して、蓋にズレがないか確認してください。
指差し確認するくらいの慎重さが必要です!

何も口から泡を飛ばさんばかりに注意するほどのことではないだろう・・・と思ったそこのあなた!!
ヨーグルティアの外蓋は、しっかり固定できるよう、溝に沿って回しながら締める構造になっているのですが、意外とこれがきちんとできていなかったりするのです。
外蓋が斜めになったりしてうまく取り付けられていないことがよくあります。

もしこの状態で取っ手をつかんで持ち上げようものなら・・・。
プラスチック容器が中途半端に持ち上がったあたりで、蓋が外れてプラスチック容器が落下!!
床一面にお粥がぶちまけられることになります。
そして数秒間の沈黙の後、セミの抜け殻になった気分で掃除に励むことになりますので、くれぐれもご注意くださいね。
え、私ですか?
そうですね~、私は出来上りほやほやの甘酒でこれをやったことがあります。
しかも忙しい朝の時間に。
会社に出かける前にちょっとだけ味見をしたのですが、その後しっかり蓋が閉まっていなかったらしく、冷蔵庫までの移動中にバッシャーン!と。。。
というわけで、危険なのは何もヨーグルティアにセットする時だけではないのです。
蓋を閉めたらいつでも持ち上げる前に360度確認!!
絶対忘れないでくださいね。
そうそう、蓋がしっかり閉まった状態で落としてしまった場合、床に転がった容器の取っ手をつかんで持ち上げようとしてはいけません。
衝撃で外蓋がずれている可能性があります。
その場合、外蓋の取っ手を持ってしまうと、蓋が外れて同様の悲劇に見舞われてしまいます。
なので、床に転がった場合は、外蓋を押さえながら容器を素早く起こしましょう。
え、私?
私はそうですねぇ。。。あれは確か出張の前のバタバタした・・・・・・(涙)
2-5.ヨーグルティアなどで保温する
先ほどは、作り方と全く関係ないところで熱くなってしまいました。
しかし、あれだけは絶対にお伝えしておかねばと思い、幾千万の批判の矢を受けて立つ覚悟で・・・あ、もうさっさと次に行ってほしいと。・・・ですよね。
さて、用意した材料を無事に容器に収めることができたら、次は保温器にセットします。
ヨーグルティアの場合、以下のように設定してください。
- 保温温度:57℃
- 保温時間:10時間
(2018/09/16 お知らせ)
当記事の内容は旧レシピの内容です。実際に甘酒を作るときは、新しい記事「(新)少量の麹で作る甘酒~基本編:じっくり保温で甘味も旨味もアップする!おいしい甘酒の作り方」を参考にしてください。
もし上記を試して甘くならない時は、57℃10時間+50℃4時間以上(50℃切替え直後およびそれ以降2時間おきに混ぜる)のように変更して作れば甘さが増します。
(2018/09/16 お知らせ終わり)
ヨーグルティアを使う前提の中途半端な温度と時間ですが・・・。
実際には、保温温度はだいたい55度から60度の間で、保温時間が10時間±2時間(つまり8~12時間)程度あれば、その後の冷蔵庫で寝かす工程で調整できるので問題ないでしょう。
設定温度は、60度よりちょっと低い温度のほうが甘みが出ます。
でも55度だと(麹の芯を取るのに)足りないので、57度・・・ということは58度でも大差ないわけですが、まあどっちかというと1度でも温度が低いほうが節電になるだろうという貧乏人の発想です(笑)。

鶴味噌醸造の米こうじ以外の場合は、ちょうどいい保温温度が異なるかもしれません。
でも、当レシピでは保温後、さらに冷蔵庫で寝かせて糖化させるので、そこで時間をかければ最終的には甘いものができると思います。
もしそれでもイマイチだなあという場合は、55度と60度で保温するとよいかもしれません。
ちなみに、鶴味噌醸造の米こうじのパッケージ裏にあるレシピ(当記事の上のほうに画像掲載あり)では、炊飯器の蓋を開けたまま保温するとだけ書いてありました。炊飯器を使う場合は、細かな温度設定が難しいと思うので、とりあえず鶴味噌方式でざっくりやってみてください。
(2018/08/13)※炊飯器での保温は多量の麹を使うことが前提になっているので、当レシピの配合ではうまくいかないように思います。
保温時間は10時間。
いろいろなレシピがあって保温時間もそれぞれですが、麹の量が多い場合などは6時間程度でOKだったりします。
今回は少ない量の米麹(つまり酵素も少ない)で作るので、酵素の働く時間を長く取ります。
それと・・・個人的に就寝時間に保温したいので長めの時間にしています(笑)。セットしてから取り出せるまでの間、保温しているといった感じです。そして寝ているので、基本的に保温中は放置です。

10時間以上置いてもいいのですが、放置して保温する場合は、これ以上置いても最終的な結果にはあまり変わりがなく、電気代がもったいないので10時間くらいで切り上げるのがおすすめです。
ちなみに私は、保温開始から何時間後に取り出せるかによって、保温時間を決めています。
例えば、夜9時にセットして朝7時に取り出す場合は保温10時間、今日はちょっと遅めの夜10時セットで朝7時取り出しとなると保温9時間というように、自分の都合に合わせます。
もし、取り出せる時間がはっきりしない時は、保温時間を長めにセットしましょう。保温が切れて放置された状態より、保温し続けている(高い温度を保っている)ほうが安全です。
保温が切れると徐々に温度が下がってくるので、長時間放置し続けると違う菌が増えて酸っぱくなったり、変な臭いがしたりすることがあります。
私の場合で恐縮ですが、特に金曜の夜ともなりますと、夜11時に保温開始できても翌朝何時に目が覚めるか分からないので、安全のため保温13時間(!)にセット(つまり昼まで寝ていられる)などといったこともございます・・・。
ちなみに、うっかり取り出す前に保温が切れてしまった場合でも、1時間程度なら大抵無事です。
甘酒は徐々に温度を下げながらも大人しくヨーグルティアの中で待っているわけですが、保温が切れて1時間経っても意外と熱い状態を保っています(真冬は要注意ですが)。
さて下図は、保温開始から2時間経ったところです。保温開始後、いつも以上に米麹がぐいぐい水分を吸っているような気が・・・。でもあと数時間すると酵素の働きで甘みと共に水分が出てくるので、もうちょっと待ちます。

保温開始から5時間。少し水分が出ているのが確認できます(写真右下あたり)。

保温開始6時間・・・のはずだったんですが、すいません、寝過ごしました。
保温開始7時間後、結構水分が出ています。
すでに米麹の芯はありません。
味見すると、ちょっと甘い感じ。でもまだまだです。

8時間経ちました。
さっきより甘くなっています。ちなみに表面部分よりずっと水に漬かっていた下のほうが甘いですよ。
実は、このくらいで引き上げて次の工程に行ってもOKです。
10時間後、保温終了です。
8時間と比べるとまた少し甘くなっています。最初と比べてみると、かなり水分が増えていますね。このくらいの濃度の甘酒が好きなので、最初に加える水分をかなり控えめにしています。
まずは保温が終了した甘酒をよく混ぜます。
表面の部分を下のほうに持っていきたいので、上下を入れ替えるように(特に表面の部分が下のほうにくるように)混ぜてください。
混ぜ終わったら、味見してみます(笑)
まだ少し甘いお粥程度ですが、このくらいの甘みが好きというひとは、冷蔵庫で寝かさず、この段階から飲み始めてもいいでしょう。
鍋に入れて沸騰させないように極弱火で温めていくと甘みが増すので、すぐ飲みたい&もうちょっと甘いのがいいという人はやってみてください。
できたての温かい甘酒もおいしいんですよ、特に冬場は。
保温開始時の材料の温度が低かった場合や水分が足りなかった場合は、味見したときに米麹の芯が残っているかもしれません。
その場合は、全体を底から混ぜた後、1~2時間くらい保温を延長してみてください。
甘酒を加熱して飲む場合は、鍋(極弱火)で温めて芯をなくしてもよいでしょう。(冷蔵庫で寝かせて甘さが増した後に火にかけるほうが甘くなります。)
さて、場合によっては、蓋を開けると「む!?」という臭いがするかもしれません。
特にこのレシピは水分量が少ない&途中でかき混ぜない放置主義なので材料の表面部分が水に漬からない時間が長くなると、少し臭いがすることがあります。材料を保温容器に入れるときは、できるだけぎゅーぎゅーに詰めておいてください。
(2018/08/13)基本的に保温容器の殺菌がきちんと出来ていれば10時間程度では臭いは発生しません。殺菌は毎回きっちり行いましょう。
保温終了後にけっこう長い時間放置してしまった場合にも、ちょっとこもったような臭いがするかもしれません。
が、よっぽど変な臭いでない限り大丈夫なので、気にせずよく混ぜます。表面部分を下のほうにしっかり押し込んでくださいね。
その後、冷蔵庫で寝かせていると最終的に臭いはなくなっておいしい甘酒になります。
失敗した!と焦らず次の工程に進みましょう。
(2018/08/13)
当然ですが、危険な臭いの場合は諦めてください。
どーしても諦められない人は、まずは臭いのする上のほうを別に取り分けて、下のほうの臭いを確認してみましょう。大丈夫そうなら加熱して味見してみてください。その先は各自でご判断いただきたく。。。
次回からは容器の殺菌をしっかりしましょう。
(2018/08/13追記おわり)
保温時間が10時間くらいあるので、最初1~2時間くらい経った頃(寝る前)とか、保温完了1~2時間前(起床後)など、都合のよい時に世話してやってみてください。
あとは、
ヒントその2: どーしても気になる場合は、上のほうだけ捨ててかき混ぜましょう(笑)
2-6.保温器から取り出して冷蔵庫で寝かせる
保温が終わった段階のほのかな甘さで十分!という方以外は、冷蔵庫で寝かせてさらに甘みを出してみましょう。
すばやく冷まして冷蔵庫へ入れる
常温で寝かせてはいけません。
甘酒を保温している間は、たいていの菌類にとって繁殖できない高温になっているので問題ないのですが、常温付近ではさまざまな菌が活動できるので危険です。出来上がった甘酒は、通常の冷蔵食品と同様に考えましょう。
保温終了後によく混ぜたら、冷蔵庫に入れられるくらいまで冷やして、すぐ冷蔵庫に入れます。できれば氷水などで短時間で冷ましたほうがよいです。
前述のように、常温放置で徐々に温度を下げていくと、いろいろな菌が活動しやすい温度帯(特に40度あたりから危険)が長く続くことになり、甘酒の味に影響が出てくる可能性が高いので注意してください。
特に夏場は要注意です。すぐに酸っぱくなってしまいます。
母がよく常温放置してしまい、「酸っぱくなった」と泣いていますが、いくら泣いても酸っぱくなったものを酸っぱくなくすることはできないので、「残念ですが今回は・・・」ということになります。(飲めますが変な酸っぱさです)。
後悔先に立たず。
私もついうっかり常温で放置してしまったりしますが、うっかりしていない時は、水を張ったボールに容器を入れ、流水をちょろちょろ入れながら冷まします。(氷か保冷剤があれば、水に入れておくと冷めるのが早いです。)
もしくは、これは良い子は真似をしてはいけないかもしれませんが、私は悪い子なのでこんなことをしています(笑)
1.保温が完了したら、容器(小分けにしてもよい)ごとビニール袋に入れます。
2.そこへ容器の周りを囲むように保冷剤を入れてビニールの口を閉じたら、そのまま冷蔵庫に入れます。
これがものすご~く楽なので止められません(笑)
さすがに、冷蔵庫内がギューギューに詰まっている時にはできませんが。
以上は悪い子の例なので、皆様におかれましては、真面目に冷水にて冷却いただきたくお願い申し上げます。
さて、そこそこ冷えたら冷蔵庫に入れます。そして待つこと半日以上。(丸1日以上推奨)。
この間に、甘酒はどんどん甘くなっていきます。甘さ・おいしさのピークに達するのは、2日後→3~4日後くらいからなので、それまで日々味の変化を楽しむのもよいです。
おおお!なにこれ、甘くなってる!!という感動を味わってください。

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3.追加の説明
甘酒完成後からの味の変化
(2017/9/14 編集)
冷蔵庫での保管ですが、甘酒の状態は徐々に変化していきます。保温完了時に特に異常がなければ、1週間以上保管していても大丈夫ですが、早めに味が変わってくることもあります。
特に米以外の副材料を入れて作ったもの(応用編で紹介しているかぼちゃやさつまいも等を入れて作った甘酒のこと)などは味が変わるのがはやいことがあります。
また、冷蔵庫内の温度にも影響されます。これは他の冷蔵食品と同じですが、庫内の温度が高いと味の変化も早いです。
そのため、生のまま長期保存する場合に味の変化が心配であれば、甘くなった時点で冷凍保存するのがおすすめです。
ちなみに副材料などの入っていない基本の甘酒を、長く冷蔵庫に置いておくと少しずつ酸味が出てくるのですが、この場合は味が悪くなるのではなくて、爽やかな酸味として感じられると思います。この酸味は、保温完了後にうっかり常温放置するなどして出てくる”変な雑味付きの酸味”とは違います。冷蔵庫の中でゆっくり乳酸菌や酵母が増えているようで、爽やかで上品な酸味です。
この時期は、甘みと酸味のバランスがよいので、冷たいまま飲む場合にはとてもおいしく感じます。(個人的には、酸味が出たものを温めるとおいしく感じません。)私にとってはこれがマイグルトです!
さて、その後も置いておくと、炭酸のぴりっとした感じが強くなります。このあたりから変化のスピードが速くなり、どんどん甘みがなくなってきます(糖分が乳酸菌や酵母に使われてしまうためです)。最後にはほぼ甘みのない炭酸(発酵)水のような感じになることもあります。アルコールが発生していることもありますし、何だか飲めそうもない匂いがすることもあるので(笑)、おいしい酸味があるうちに飲んでしまったほうがよいと思います。
私は、夏に飲むにはちょっと酸味が出てきたあたりが一番好きなので、暑い時期には酸味の出た甘酒をわざわざ作っています。いざ作ろうと思うとなかなか酸味が出てきてくれなかったりするのですが・・・。
(ちなみに既に酸味が出た甘酒を”種”として酸味の出ていない甘酒に入れると、1~数日でその甘酒にも酸味が出てきます。ずーっと待たなくても簡単に増やせるのでおすすめです。)
酸味が出てくるまでの期間は、その時々によってかなり違います。1週間程度のこともあれば、2週間以上経っても味は変わらず酸味もないままで、3~4週間程度経ってやっと少し酸味が出てくるということもあります。保存環境や甘酒作成の環境などで変わってくるようです。
冬には温めて飲むことがほとんどだと思いますので、酸味が出るまえに冷凍保存してしまうのがよいかもしれません(暖房でほかほかしてきたところに冷たいのをグイっとやる分には酸味が出たものでもいいかもしれませんが)。
味の変化にはいろいろな要因があるので、毎回同じ結果とはいかないと思います。おいしい酸味ならよいですが、ごくたまに変な菌が増えてしまって味が悪くなることもあります。そういうものは飲まないようにしましょう。初めて試す場合には、少量を取り分けて味の変化をみてみるのがおすすめです。
乳酸菌が増えた甘酒で豆乳ヨーグルト
酸味が出てきたあたりで、豆乳を入れて冷蔵庫に置いておくと2、3日後(酸味の度合いによってはもっとかかる)くらいには固まってヨーグルトのようになります。
小分けにした甘酒で試してみてください。甘酒が入っているところに豆乳を同じくらいの量注ぎ入れます。数日経つと、上のほうで豆乳が固まって、きれいに2層に分かれます。ヨーグルト部分の味はプレーンなのでお好みで甘いソースでもかけて食べてください。
豆乳を入れる時点で甘酒にどのくらいの酸味が出ているかにもよりますが、固まって早いうちならまだ甘酒の甘みが十分残っているので、甘酒部分といっしょに食べれば、甘いソースは不要かもしれません。
固まってから長く置いておくと下の甘酒の甘みはほぼなくなり、ヨーグルト部分、甘酒部分共に、炭酸がきいて舌がピリピリするほどになります。こうなる前に食べたほうがいいと思います。
また、最初から酸味の出すぎた甘酒を使った場合は、豆乳を入れて混ぜただけで固まってしまうので、見た目がおからのようになってしまい、あまりおいしくもありません。
なお、固まった後に変な味がする場合は、よろしくない菌が増えてしまっているので諦めて破棄しましょう。
火入れ
火入れといって、沸騰させないように70~80度くらいまで加熱して発酵を止め(殺菌にもなる)、味の変化を抑える方法もあります。
普通は保温後すぐに火入れしますが、当レシピは保温後に冷蔵庫で寝かせるので、1日程度寝かせて甘さが出た頃に火入れするとよいと思います。
ゆっくりと70~80度くらいまで加熱していくと、酵素が最後のひと働きをして甘さが増します(*)。
生甘酒とは風味が変わってしまいますが、この甘さが好みに合うようであれば保存方法の一つとして取り入れてもよいと思います。
保存期間は火入れの具合にもよると思うので、1~2週間程度と考えてなるべく早めに飲むとよいでしょう。
また、加熱後は酵素の働きは期待できませんが、甘酒の栄養分などは含まれています。
また、保温完了直後の甘酒はまだほのかな甘みしかありませんが、寝かせる時間が待てないときは鍋で加熱すると甘みが増すので、今すぐ飲みたいときにはよいでしょう。(ただし、ちょっと気になる匂いや味などが出てしまった場合は、冷蔵庫で寝かせてからにしたほうがよいです。)
このとき沸騰させてしまうと短時間で酵素が働かなくなり、それ以上甘みが出なくなるので気をつけてください。
70度くらいでじっくり加熱すると、より甘みが出るのでおすすめです。
味見しながらのんびりやってみましょう。
なぜ保温してから冷蔵庫に入れるのか
結局冷蔵庫に入れて甘くするんだから、最初から冷蔵庫に入れといたらいいのでは?と思った方もいるるかと思います。
結論から言うと、時間をかければ冷蔵庫放置でもある程度甘くはなるのですが、時間がかかりすぎる上に米麹の芯が残って硬いままになります。
芯が硬いままでもOKという場合は問題ないのですが、芯が残った米粒というのはとても食べにくいので、普通はNGです。
そして甘酒は飲み物ですから、芯があると特に気になるでしょう。
米麹は蒸した米粒に麹菌を繁殖させたものですが、かなり硬めに水分量が調整されています。
食べてみると分かりますが、生麹も乾燥麹も硬いです。
(米麹はそのまま食べても大丈夫です。ゆっくり噛んで食べると甘さを感じることができますよ)
これを軟らかくするには、ある程度の温度と水分が必要です。
冷蔵庫だと1週間かけても米麹は硬いままですが、60度前後なら6時間程度で軟らかくできます。
冷蔵庫放置で芯が残った場合も、加熱して芯を無くしてやればよいですが、そんなことをするくらいだったら、最初に保温しておいたほうが全体として早く完成します。
ちなみにですが、冷蔵庫で完全放置の場合、1ヶ月くらい待てば米麹もやわらかくなります。
この記事の甘酒レシピとは違い米麹を高配合して冷蔵庫に置いておくと、いわゆるマイグルト的なものができたりします。
結構おいしいくて私好みだったのですが、時間がかかりすぎるのと、米麹の配合量が贅沢すぎるので、今となっては不可能です(笑)
冷蔵庫の広さにも限界がありますしね。
というわけで、第1段階の保温では、ご飯から甘みを引き出す+米麹の芯をなくす、第2段階では、冷蔵庫で寝かせてさらに甘みを出すという感じです。
おわりに
今回は、お財布に優しく手軽に作れるおいしい甘酒の作り方をご紹介しました。
私のお気に入りの鶴味噌醸造の米こうじは元々お安くてありがたいのですが、中にはとても高いものもありますよね。
そんな高級米麹をパッケージ通りのレシピで作っていたのでは、手作りなのに全然気軽に飲めません(少なくとも私は)。
当記事のレシピを使って、少量でおいしい甘酒ができるとしたら、今までの何倍も気軽にかつお得に甘酒が作れます。
ぜひ一度試してみてくださいね!
次回からは応用編で雑穀や野菜などを使った甘酒をご紹介します。
作り方自体はほぼ基本編と同じなので、ご自分で好きな副材料を入れて作ってみても面白いですよ~。
ではまた!
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はじめまして、
甘酒作りに挑戦しようと
ネットサーフィンしててたどり着きました。
他のサイトと違って色々な結末が書いてあったりして、
とても参考になりました
いつか冷蔵庫で1カ月保存の米麹製マイグルトも試してみたくなりました。
ありがとうございます(^o^)
コメントありがとうございます!
返信が遅くなり申し訳ありません。
異様に長い記事になってしまって、こんなの読む人居るんだろうか・・・と思っていたのですが、コメントまでくださって感激です(^^)
甘酒作りはいろいろ試せて楽しいですね。
作り方によっても味が変わりますし、材料を変えるとまた違ったおいしさが発見できます。
ぜひ作ってみてください(^^)
お初です。
ワンのブログオーナーのsakuramama と申します。
甘酒が体に良いことは以前から知っておりました。
ですがそれを毎日となると結構貧乏人には、ハードルが高い。
たまたま、テレビで放送されたのを観て、やっぱり取り入れたほうが良いな。と、改めて思いなおし、作り方を検索しました。
色々有りましたが、ヨーグルティアで出来るという部分で、
あなたのサイトが目を引きました。
で、書かれている通りにすべく、お薦めの米麹を買い入れ、
挑戦しました。
保温完了から48時間以後の、今日の夕方飲みました。
甘くなっていて美味しかったです。
うちのワン2匹も美味しそうになめます。
丁寧に分かりやすく書かれていたので、挑戦みようと思いました。
有難う御座いました。
sakuramamaさん、コメントありがとうございます!
返信が遅くなり申し訳ありません。
ワンちゃんたちも甘酒を気に入ってくれたようで嬉しいです!
甘酒は簡単に作れて、子供から大人まで誰でもおいしく飲める幸せな飲み物だなと思っていたのですが、まさかワンちゃんまで適用可能とは。恐るべし、甘酒。
ヨーグルティアを使うと材料を入れて寝て待つだけなので本当に便利ですよね。
慣れると5分くらいで材料を準備できますし。
やたらと長い基本編ですが、まだ付け足しを目論んでおります(笑)
分かりにくい、くどいなど(久しぶりに自分で読んだらたくさん出てきました・・・)、びしびしコメントしていただけるととても助かります。
もしまたの機会がありましたら、ぜひ遊びにきてくださいね!
甘酒作ろうといろいろさがしてこのページをお気に入りに入れました。
初めは鶴味噌のまわしものかと思った。
大分には鶴味噌の営業所があって、そこまで自転車で買いに行った。
負けてもらって又送料もいらず、有酸素運動にも一役
良いところを教えて頂きました。
又、うちは農家で米も芋も自家製、コメはくず米を使用
節約大好き
失敗を堂々と書いてある、最高です!!
人の失敗談 面白いです
さぞかし、よっぽど悔しかったみたいですね!
その時の顔が目に浮かんできました。
きっと心の大きい人だな~
人の自慢話は面白くない
昔ノーベル賞をもらった人の話を聞く機会があった。
天皇陛下に招待されたスライドをたくさん見せられた。
一緒に行った人がつぶやいた「村上さん、自分は卒論が同じテーマで今まで尊敬していた
しかし、今日がっかり」
ノーベル賞をもたった人でも・・・自分らはまして
なにも自慢できませんね!失敗が一番
冬になると皮膚が乾燥して毎年クリームが必要でした。
しかし今年はクリームがいらない、これは甘酒のおかげだと信じています。
かめのて.com応援しています。
murakamiさん、コメントありがとうございます!
返信が遅くなり申し訳ありません。
>初めは鶴味噌のまわしものかと思った。
麹だけでなく、鶴味噌が作っている甘酒(製品)も紹介していますしね~(^^)
でも、紹介している甘酒の作り方が、鶴味噌の麹パッケージに書いてある分量よりはるかにケチケチと麹を使う方法なので、まわし者とは認めてもらえそうにないです(笑)
麹は大分の営業所に直接行って購入なさったのですか。有酸素運動できるくらいの距離だと、ご自宅からはちょっと遠いところかもしれませんが、割引もあったようでお得でしたね。
お米もご自宅で作られているとのこと、うらやましい限りです!
失敗話も楽しんでいただけたようでよかったです。
私自身いつも適当に作ってなんとかなっているので、分量はお好みでどうとでもなると思っています。
なので、分量より作り方や注意点に力を入れて書いてみたところ、あのような長さに・・・。
でもmurakamiの応援のおかげで、また新たな失敗をしたら懲りずに追記しようと思いました(笑)
なかなか更新のないサイトですが、時々見に来ていただけるとうれしいです!
甘酒が芋でも、できるとは知りませんでした。
コメも芋もデンプンですものね!
米麴と芋だけで作ってみました。
柔らかい芋羊羹みたいで美味しかったです。
ありがとうございました。
匿名さん、コメントありがとうございます。
返信が遅れてしまい申し訳ありません。
甘酒は、でんぷん系のものなら結構なんでもいけそうですよね。じゃがいもの甘酒なども売っていますし(私が買ったものはあまりおいしくなかったですが・・・)。
匿名さんは、米麹と芋だけでおいしくできたとのこと、教えていただきありがとうございます!
お米なしだと芋羊羹みたいになるんですね~。
芋羊羹大好きなので、私も今度やってみます(^^)
ちなみに、私はかぼちゃと栗入りの甘酒がとても好きです。
栗入り甘酒の作り方も書きかけ(放置中)なのですが、特にさつま芋入りやかぼちゃ入りと変わったところはなく、お好みの量の栗を入れるだけです。
私の場合、栗の皮を剥くのがあまりに大変なので、いつもは栗おこわで代用ですが(^^)
また新たな甘酒を作ったらぜひ教えてください!
甘酒作りで、検索してましたら此処へ辿りつきました(^_^)v
まさに、小生が求めていた処!
特に、『可能な限り少量の麴で』ってえのが、魅力的でした(^_^;)
試みたいと思います。
デハ では(報告は後日) de 野兎(ヤット)
野兎さん、コメントありがとうございます!
返信が遅くなり申し訳ありません。
麹でつくる甘酒って、かなり大量に麹を使うレシピが多いですよね。
それでも製品を買って飲むよりは安いのですが、気軽に飲めるというほどでもない気がします。
もともとは節約&手抜き&自分好みの甘さにしたいということで、麹を減らしていったのですが、他の人にも好評の味でした(^^)
この麹の量だと、お米の種類によってはあまり甘くならないことがあるのですが、もち米をちょっと混ぜると全然違いますよ~。(もち米も結構値が張るので迷うところですが。)
今度基本編に追記予定ですが、さっぱり系のお米であまり甘くならないという場合は、お米1合につき50gくらいをもち米に置き換えると甘さが出ておいしくなります(ご飯1合分=炊いた白米300g+炊いたもち米50g、という感じです)。麹の量は変えません。
もしまた遊びに来ていただく機会があったら、是非甘酒の感想をコメントしてくださいね!
はじめまして、甘酒のサイトで かめのて様に 偶然 おあいしました。オートミールで 甘酒とは 自分の冷蔵庫に入っている ケーキの材料なのに 気がつきませんでした。
いま 甘酒 作っています。きっと ヘルシーで 美味しい甘さけできると思います。
詳細まで 丁寧な説明 とても 参考になりました。
ありがとうございます。 甘酒酵素で できあがった甘酒に 大好物のヨーグルト(カスピ海ヨーグルトを 混ぜて 再度 ヨーグルティアで 発酵も して 飲んでいます。また かめのて様 の方法も おきかせくださいね。
myaさん、コメントいただきありがとうございます。
こちらからの返信が遅くなり申し訳ありません。
コメント2つ入れていただいていたのですね。
スパムコメント対策でコメントを承認制にしているため、コメントを書いてもすぐには表示されなくなっています。
分かりにくくてごめんなさい。
甘酒おいしく作れたようでよかったです!
カスピ海ヨーグルト、私も好きです。
myaさんはこちらも自作とのこと、ヨーグルティア大活躍ですね。
私は甘酒を長いこと(数週間)冷蔵庫に入れておいて酸味が出てきたものに、豆乳を入れてヨーグルトを作って食べています。(牛乳でもできると思いますが、未確認です。)
ちなみに、甘酒は保温で失敗して酸味が出たものと、冷蔵庫保存でじっくり乳酸菌を増やしたものとでは全然味が違います。後者は爽やかな酸味でとてもおいしいですよ(^^) 私の中ではこれがマイグルトです。
上記の豆乳ヨーグルトは、単に酸味の出た甘酒に豆乳を混ぜて(半々くらい)、冷蔵庫に固まるまで数日間入れておくだけです。
上にヨーグルト、下に甘酒という2層になります。
柔らかくて癖のない味でおいしいですよ。
固まってから数日間は、下の甘酒も甘さが残っているのでいっしょに食べてもおいしいです。
ちなみに、固まってからさらに長く冷蔵庫に入れっぱなしだと、どんどん発酵が進んで炭酸がきつくなってピリピリしてきますので気をつけてください。
それから、あまりに長く保管していて酸味が強くなった甘酒(見た目にもぷくぷく泡が上がってきてたりします)ものだと、入れた豆乳の固形分と水分が分離しすぎておからのような見た目になったりしますし、容器の蓋を押し上げて冷蔵庫が大変なことになったりしますので、どうぞご注意ください。
ヨーグルトの前に、まずは甘酒に酸味が出るまで気長に待たないといけないのですが・・・これにだいたい早くて2週間、遅いと4週間くらいかかる気がします。
でも、一度乳酸菌の増えた甘酒を手にしてしまえば、次からは、ヨーグルトの種菌のような感覚で、新しく作った甘酒に酸味の出た甘酒をちょっと入れて冷蔵庫で何日か待てば同じように酸味のあるおいしい甘酒になります。
作ったヨーグルトですが、これを種として豆乳に加えて冷蔵庫に入れておくとヨーグルトができます。
普通のヨーグルトを作るときと同じですね。
回数を重ねると味が変わってくるので、その時はまた甘酒を種にして新たに作るといいと思います。
という話も、基本編に追記したいなあと思い続けているのですが、写真を撮ってないのでもう少々お待ちくださいね。
コメントに長々書いてしまって申し訳ありません。
ぜひまたmyaさんのヨーグルティア話聞かせてください!
コメントありがとうございます!公開が遅れて申し訳ありません。
記事が参考になったようで嬉しいです。
こんにちは。
とても細かいご説明ありがとうございました。
知り合いに教えていただき始めて甘酒を作ったのですが、
その方は水は使わずまる2日間くらいこたつに入れて、保温はしてつくられるそうです。
米3合をたいて、生の麹が、100g。
いただいた事が何度もありますがおいしい甘酒が出来上がっています。
私はこたつがないので、炊飯器で同じ配合で作ってみました。
蓋を半分開けた状態で60度を保ってましたが
途中3時間たった時に温度が65度位にあがってしまい、そのあと、はいつまでたっても甘くならないです。
多分菌が変質してしまったのだと思います、
この甘酒をすてるのはもったいないし、
どうしたらよいのか?
麹をあらたにここに追加してはもうダメで再生はしないのでしょうか?
教えてください。
他の使い道はありますか?
またこのご飯はたべると身体に悪いのでしょうか?
こんにちは!藤.玲.さん(失礼かと思いましたが、お名前が分からないように、少し編集させていただきました)
コメントいただきありがとうございます。
ご飯と麹のみをこたつに入れて作る甘酒ですか。濃厚なものができそうですね。
私もいつか食べてみたいです!(現在こたつがないので実験できませんが・・・)
それにしても皆さんいろいろな工夫をなさっていて興味深いです。
ふと思い出しましたが、以前、母が知り合いに甘酒作りを習ったときには、材料(確か40度くらいにしたものだったと思います)を密封容器に入れ、常温放置で数日間(もしかして1週間かも)かけて作っていたというようなことを言っていました。
この材料に水が入っていたかどうかは定かではありませんが、とにかく”生”にこだわっていたそうです。
確かに常温なら麹菌自体も無事でしょうね。
ご質問の件ですが、ずっと60度以上が保たれていたとすると結構高温なので、材料から変な臭いがしなければ悪くなってない(腐ったりはしていない)と思います。
水なしで作ったことがないので想像ですが、最初のほうは麹がはたらいていたので、水分が少し出ているのではないでしょうか。硬めのお粥くらいの状態かなと思っています。これにお好みで水分を足してお粥にして食べてもよいと思います。
甘酒作りに再チャレンジする場合ですが、ご飯に混ぜた麹は長時間高温に晒されたため、おっしゃる通りもうダメになっていると思います。
(追記)一瞬だったら全部はダメにならなかったかもしれませんが、今回は麹の量が少ない上に、しばらく高温が続いてしまったので、現在入っている麹についてはあきらめたほうがよさそうです。(追記終わり)
新たに麹を追加して、再チャレンジ可能だと思いますよ!
保温については、温度が上がりすぎる炊飯器だと難しいかもしれませんね。
ずっと見張っているのも大変そうですし。
私でしたら・・・材料が温まったら蓋をしてスイッチを切り、30分か1時間後に温度を測ってみて、50度くらいに下がっていたらまたスイッチを入れて温度を上げて、というのを繰り返して、少し甘みが出るまで、もしくは麹の芯がなくなるくらいまでやって、あとは冷蔵庫に放り込むと思います(笑)
藤.玲.さんと同じ分量でやったことがないので確かなことは分かりませんが、低めの温度で保温できていれば酵素がまだ働ける状態なので、冷蔵庫に入れたあともじわじわ甘くなると思います。
満足できる甘みが出るまで何日かかるかは分からないのですが、実験気分で毎日味見してみるのも楽しいかもしれないと思ったり・・・(無責任で申し訳ありません)。
(追記)麹の量が少ない場合には、低めの温度で保温することが特に重要です。
記事では仕込温度60度前後で保温温度57度くらいとしていますが、お使いのレシピの分量だと当記事のものよりさらに麹が少ないのでもう少し低めの温度で仕込み、保温温度も下げるのがお勧めです。(追記終わり)
お知り合いの方のこたつ内部の温度は分かりませんが、60度よりかなり低めの保温になるのではないでしょうか。
低温でじっくり時間をかけることでとてもおいしい甘酒ができているのではないかと思っています。
実は、当記事のレシピも低い温度のほうがまろやかになり甘みが出ます。
記事に追加で書こうと思いつつ、なかなか更新できずにいて申し訳ないのですが、私の使っている乾燥麹の場合、仕込も保温も55度以下にすると、それ以上の場合と比べて甘みが強く出て濃厚になります。高めだとあっさり軽い甘さです。
私は甘みの出にくいお米の時は、仕込は50~55未満で、保温は51~55度くらいでやっています(ヨーグルティア使用です。※ちなみにヨーグルティアで51度に設定しても、ずっと51度が保たれるではなく部分的に(側面)53~54度になったりしている時もあります)。
保温時間は10~12時間くらいやっていますが、51~52度でやったときが一番まろやかで甘かったですよ。
ちなみに仕込温度が高いと保温温度を低くしても、同じようなまろやかな甘さにはならず、若干軽めの甘さになりました。
記事内では、もち米を入れて甘くする方法を紹介していますが、もち米を用意して入れるのが面倒(もち米の値段も意外と高い!)ので、保温温度を低くできるようであれば、そのほうが簡単にまろやかな甘みが出せるのでお勧めです。
(だったら記事に書くべきなのでは・・・ということで、近日中にがんばって更新する決意をしました。)
(追記)低い温度の時は特に容器の殺菌を省かないほうがよいです。(追記終わり)
他の使い道は、普通に食べる以外にあまり思いつかないのですが、お米のペーストを使った料理のレシピなどが最近増えてきているようなので、もしミキサーなどで材料をペーストにできるようであれば、挑戦してみるのも面白いかもしれません。
あ、そういえば私は甘酒をペーストにして蒸しパンを作ったりしますが、翌日になっても柔らかくておいしいですよ~。(今回のは甘酒になる手前のものなので、同じようになるかは分からないのですが)。
というわけで、再チャレンジ or 別途利用のどちらにしても、おいしく食べられるとよいですね。
また遊びにきてください!
本当に本当にご丁寧な回答ありがとうございました。
再チャレンジやってみます。
失敗した物の使いかたもありがとうございます
また遊びにきまーす
こちらこそ、未知のこたつ甘酒を教えていただけて勉強になりました。ありがとうございます♪
私からは想像でしかお答えできなくて申し訳なかったですが。
炊飯器甘酒は私も今度チャンスがあったらやってみますね~♪
初回だけ米麹で甘酒を作り次回から
その甘酒で作り続ける事はできますか?
出来る場合注意事項はどの様な事に
なりますか?
コメントありがとうございます!公開が遅れて申し訳ありません。
Arnestさんの疑問は、私もかつて疑問に思ったことがありました。ヨーグルトのように継ぎ足して作り続けられないのかな、と。でも実際に試したことはありませんので、何とも申し上げることができません。ただ、自宅で作った甘酒は、冷蔵庫で保管中も徐々に甘さが増すので、保温後も残った酵素が作用し続けていることは分かります。ということは、その甘酒の中に新たに米粒を入れれば、その米粒も徐々に(かなり時間がかかると思いますが)甘くなるでしょう。
しかし、出来上がった甘酒の中に、新たにご飯を入れて保温することを考えると、まずは先の保温で元々の酵素の量は確実に減っている上、最初に作った甘酒の全量ではなく一部だけを使うことになると思うので、酵素の量という点から2度目にどの程度甘みが出せるのか分かりません(酵素は菌ではないので保温しても増えません)。そして仮に3回目、4回目と継続していくとしても、その都度酵素の量が減っていくので、どんどん甘酒づくりは難しくなっていくと思われます。
さらに、作り方にもよるとは思いますが、保温時間が長くなると酸味が出やすくなります。もし一度作った甘酒を使って、再度の保温となるとその確率がかなり高まるのではないでしょうか(酵素が失活してしまうので加熱殺菌することはできません)。ちなみに甘酒は冷蔵庫で保存していても、徐々に酸味が出てきます。最初は乳酸菌などが増えるようですが、最後には酢酸菌が増えてお酢になります(ここまで持っていけるかどうかは環境にもよると思いますが)。
以上が、私が今思いつく問題点なのですが、視点を変えてみますと、自分で米麹を作るという方法があるかと思います。こちらは麹菌ですので、種継ぎ感覚で菌を継続的に増やしていくことが可能ではないでしょうか。そうなったらもう市販の米麹は不要ですね(笑)。インターネット上にはそうした情報があると思いますので、挑戦してみるのはいかがでしょうか?
蛇足ですが、私は普通の甘酒を冷蔵庫で保管中に、かぼちゃやさつまいもなどを後入れすることがあります。どちらも元々甘いものなのですが、甘酒に入れて置くとより甘くなるようで、かぼちゃ甘酒やさつまいいも甘酒として楽しんでいます。一度作った甘酒で、あらたに甘酒そのものを作るのは難しいかもしれませんが、何か後入れで追加して甘みを出すという程度ならいろいろ楽しめるのではないかと思います。
以上、参考になれば幸いです。